奥新川キャンプ場(宮城県仙台市太白区)

※以下の文章に含まれる情報は私が2009年9月に体験したことを元にしています。必ずしも正確ではない可能性がありますので、ご了承ください。

奥新川と書いて「おくにっかわ」と読みます。新川といえば、芋煮会が盛んなのと、ニッカウィスキー工場が有名です。そこよりさらに奥(山形側)にいったところにあります。

使用許可証の領収印を見るに、仙台市青葉区宮城まちづくり推進課が問い合わせ先…なのかな???

  • URL等:なし
  • チェックイン・チェックアウト:不明

交通手段

所要時間

合計 約53分

料金

  • 入場料 大人:100円 中学生以下:無料
  • テント持込料:10人以上 1,000円 9人以下:400円

大人一人子供一人で行く場合の料金

  • 交通費(電車):(570 + 280) * 2 = 1,700
  • キャンプ費:100 + 400 = 500

さらに、うちから駅前までバス往復(180+90)*2 =540なので、

合計:2,740

おおー、前回と比べてなんと安いのだ!(^^;;

設備

  • 炊事場 1棟
  • トイレ 1棟(くみとり)
  • 売店・自販機 なし(近くの奥新川食堂で買える)
  • PHS 圏外
  • 電源 なし
  • お風呂・シャワー なし
  • サイトでのたき火 可(黙認なのかも) 

行って来た感想

駅のすぐ側にあり、まるで「電車で行け!」といわんばかりの奥新川キャンプ場。

今回、キャンプ場で2つのチャレンジをしました。

  1. 牛肉の塊を焼いて食べる。
  2. パンを粉から作って焼いて食べる。

そして、雨の予報だったので前から欲しかったタープを購入して臨みました。

当日、近所の隠れた有名肉屋さんで高級宮城牛を1kg購入。すごいでしょ。

出発直前まで冷蔵庫に入れ、キッチンペーパーと新聞紙でくるみ、保冷剤代わり?の缶ビールとともにシュラフの中につっこんできた。キャリーカートの大荷物でバスに乗り込むのは毎回ちょっと恥ずかしい。大丈夫ですかって声かけられる。電車にのりこめば一安心。仙山線で50分ほど行くと、到着です。

奥新川駅無人駅。誰も他に降りない。おおー、電灯の近くにたくさんクワガタの死体が。ミヤマもノコギリもいるぞ。夜に来てみるか?(…と思ったけど寝ちゃった。)

駅を出てすぐあるのが、奥新川食堂。こちらは食堂の利用ができる他、カップラーメン、調味料、薪などキャンプに要りそうなものが購入できます。ビール、ジュース、アイスがあるのが嬉しいですね〜。アイスと薪を買って「キャンプの受付は…」と聞くと「二軒隣ですよ」と教えてくれました。キャンプ場方面にある「山野草」という看板があるお宅が、キャンプ場受付です。ちなみに古い情報だと「なとりや」という駅の脇のお店がキャンプの予約・受付となっているが、この「なとりや」さんはもう営業していない。新しい受付のお宅の電話番号はわからないが、予約しなければならない程混まないんじゃないのかなぁ、という印象。

受付で書類記入、使用料を払い、いざキャンプ場へ。受付のお宅の玄関にはかわいいふくろうの石のオブジェがたくさんあって、和みます。(^^)

おー、広い。そして誰もいない。周囲を囲むのは、桜の木じゃないか。花見もよさそうだぞ。
トイレは汲取。当然のようにアブがいる。紙はない。でも、綺麗に掃除されてます。
炊事場は、テーブル、イス、かまどあり。トイレ、炊事場は一カ所のみ。炊事場横の木には、手作りのブランコが一つありました。

地元の方が歩いていたので話を少しした。「子供にはこういう経験が一番よ。今夜は満月、星もここは一杯見えるわよ!楽しんでね」と、嬉しい言葉。それから、スズメバチが来たら動かないでジッとしていること、といわれた。実際、キャンプ中はしょっちゅうスズメバチが飛んできたけど、平然としているといなくなった。なるべく髪は露出しないように、白っぽい帽子は常にかぶっていました。アブもスズメバチアシナガバチもカもいっぱいいて、常に「ブウゥゥ〜〜ン」がBGM。それに慣れてしまって帰宅後も空耳が聞こえました。こういうの、虫が駄目な人は難しいんだろうな…
そしてもちろん、トンボも、茶色の大きい蝶(名前がわからないけど、自宅周辺にはいない)もたくさん。息子はオニヤンマを追いかけていた。

このキャンプ場、木の(一部朽ちているけど)ベンチがたくさん置いてある。ベンチは移動可能。焚き火スペースがぽつぽつとあって、石やブロックがある。焚き火ができるキャンプ場は始めて。貴重ですよね。嬉しいな。

テントとタープ設営。snow peakのペンタを無理矢理エスパースと合体。やっぱりタープがあると安心感が違うな〜。

虫対策として、何カ所かに蚊取り線香を焚きました。人間の方は、実は虫除けを塗らなかった。というのも、虫除けを塗って効いたことはほとんどないから。虫除けのへんな匂いも嫌だし。シーブリーズを塗るといいと聞いていたが持っていなかったので、かわりにヴィックスヴェポラップを持って来た。効くかどうか不明だけどとりあえず塗りたくったら、これがすごく効いたのですよ!蚊に全く刺されなかったので「ここの蚊は気合いが足りないのか」なんて思ったくらい。

キャンプ場のすぐ横を電車が通ります。音はそんなに気にならない。でも、誰も降りてこない。車やバイクは時折やってくる。この近くには遊歩道があり、散策コースとなっている。「長命水」という名水もあるそうな。ちょっとだけ散歩して、薪を拾った。気持ちのいい沢もあるらしい。でも、息子が怖くなって、すぐ引き返してしまいました。なんか私も怖かったし。ちょっと時間が遅かったからね。今度は午前中からじっくり歩きたいものです。

家が何軒かあるけど、空家がほとんど。ちょっと淋しい。そして、キャンプ場にも誰もこない。うーん、今夜は我々一組?と思ったら、あとで一組来ました。良かった。それにしても、本当に今、キャンプする人減ってるんですね。


さて、日が暮れる前に火をおこしておきますか。前回苦労したので早めにやっておこう。前のキャンプの後、本を読んで勉強したのだ。

焚き火大全

焚き火大全

乾いた薪があったせいか、すんなり火がついた。嬉しい。湿った薪を待機させて乾かすこともできる。
並行してごはんを炊く。3回目なのでカンで行けるかと思ったらちょっと失敗。芯が残ってしまった。水を足して再加熱してリカバリできた。
そして、ついに肉を焼くときが来た。

フォークでぐさぐさ刺して、塩とコショウとローズマリーとにんにくとオリーブオイルを適当にぬったくって、少し置いてから、網の上へ。
…たちまち、ジュージュー音を立てて焼けてきた。
並行して野菜を洗い、味噌汁を…なんて思っていたら、大変なことになってきた!
「ぎゃー!うわー!おわー!」
肉の脂が落ちて、火がボーボー燃え出したのだ。慌ててひっくり返した。
「よしっ、まず焼けた所喰おう」
網の上でナイフを入れ、焼けた所をそいで、皿へ。

う…うまい!
なんてうまいんだ!
息子も「うめー!!!」と絶叫している。
そしてなぜか、「これ、おとなりにおすそわけしてこようよ」と、隣のキャンプに持って行こうとするのです。
「ま、待て。こんな血の滴るのをうちらは平気で食べるが、向こうは一般人だろう。冷蔵してなかったし、一応、もうちょっとちゃんと焼いたのを…」

なんて言っているうちに、またも大火事。
「うわー!」
「あぶねー!焦げるううう!」
うっとり肉を食べている間に、焦げ気味になってしまった。
「避難させよう、避難!」
かまどの横に待避所を作って網ごと避難し、焼けた部分を切り、落ち着いて食べて(笑)、切り口に塩コショウを塗って、それから火の上に戻す。これを何度も繰り返した。
おとなりには、多少ちゃんと焼いたものをおすそわけしました。(^^)

しかしすごい。いい肉は着火剤にもなるのか、なんて本末転倒なことまで頭に浮かんでしまった。

息子が肉ばっかり食べて、せっかく作ったごはん・味噌汁・つけあわせのレタスを全然食べない。こっちは焼くのに忙しいのに。しかしさすがに2人で1kgは、多い。そこで最後は小さめに切って、しっかり焼いて、ペーパータオルでくるんでとっておいた。冷蔵庫がないので明日まで持つかどうか。

食べ終わった頃から、満月が見えてきた。

このキャンプ場は余計な照明がなく、トイレも使用時のみ点灯する(虫が入り込むので…と管理人さんに言われた)。さぞかし綺麗な夜空が…と思ったら、息子はあっさり寝てしまった。私もやたら体が重くて、すぐ寝た。

寒いのを予想していたのに、テントの中は結構暖かかった。夜中、保線作業だろうか?駅のあたりで何人かの人の声とエンジンの音がやたら聞こえて、ちょっとうるさかった。でも、ご苦労さまです。深夜2時、息子の「トイレ」という声で起きた。この時の夜空は本当にすごかった。満月なのに一杯星が見えた。どうも「満天の星空を堪能したい」と普段思ってる割に、キャンプに来ると寝てしまうなぁ…疲れるからか。今後はテント設営したらまずビール飲んで昼寝する方針をとろうかな。

翌朝は6時前に目が覚めた。爽やかな朝。

さて第二のチャンレンジ。粉からパンを作って焼く。
レシピはこちらを参考にしました。しかし熱源はたき火。安定した火力がない状態で果たしてできるのか。
穴のあいたキャンプ用アルミ鍋があり、それですべてを行いました。ダッチオーブンのような重いものは車なしキャンプでは無理。材料いれて、こねて、第一発酵はたき火のちょっと近く。少ししか膨らんだ感じがしないけど、4等分して第二発酵して…オーブンペーパーで軽くくるみ、さらに濡らした新聞紙で包んで、またたき火のそばに置いてみた。…やっぱりどうもふくらみが悪いので「よくわかんない、焼いちゃえー。腹減ったし」と、火にかけた。上に「おき」とか置いてみた。

時々開けてみて、まぁこんなもん?と思ったところで火から外してみた。しまった、下が焦げてる。でもちゃんと火は通ってる。ふくらみはわるいけど、一応食べ物にはなったかな。息子はあっというまにたべてしまった。

他のおかずは、サラミ入り目玉焼き、レタス、昨夜のあまりの牛肉。冷蔵しなくても、一晩くらいだったらなんの問題もなく、もう一度じっくり焼いて、おいしくいただきました。(真似するときは自己責任で!)

隣のテントの人とお話したら、ものすごい蚊にさされたとのこと。小さい女の子が、かわいそうなくらい真っ赤に。(;_;)まったくさされなかった我々はびっくり。ヴィックスベポラップは半端じゃない効き目であることがわかりました。実際、うようよいる蚊の中に手をだしてもよってこなかった。すごいぞ、ヴィックスベポラップ!※真似したい人は、使用上の注意をよく読んだ上で!粘膜には塗っちゃだめだよ!

朝食を終えたあたりで、団体がやってきました。
話を聞いたら、青葉区の児童館等を中心に活動するジュニアリーダーのみなさんが、レクリエーションの下見に来たとのこと。息子は勝手に混ざっていろいろ遊んでもらいました。火起こしとか、石に絵を描いたりとか、やらせてもらいました。どうもすみません…

午後2時ごろ、撤収。来るときに比べて荷物が8割くらいになりました。
駅前の奥新川食堂に立寄り、ビールとジュースを買って電車を待つと、奥新川食堂のおかみさんがキュウリのお漬け物を持ってきてくれた。ありがたいです。
仙山線に乗り込んでビール飲みつつ、寝た息子に膝枕しながら、帰ってきました。

持って行って良かったもの

  • 白っぽい帽子。息子には私のをかぶせていた。やはり、スズメバチがいるのでかぶったほうがいいと思う。
  • ヴィックスベポラップ。今回一番の活躍。
  • ロウソク。相変わらず、着火剤代わりに活躍してくれる。
  • 洗濯バサミ。タオルやハンカチを干せた。

忘れたもの

  • 歯磨きセット。キャンプ用に1セット買っとこう。
  • おしぼり。調理中のちょっとした手ふきに。

今回の反省

  • 行きの荷物の梱包が悪かったのか、ずいぶん大荷物になってしまった。もっと余裕を持って、慌てて詰めることのないようにしたい。
  • 荷物を減らすため自分の着替えを殆ど持たなかった。下はジャージ一本着たきりだったが、やっぱり外とテント内は着替えたほうが気分が少し違うと思った。

今回の収穫

  • 前回壊れたと思ったファスナーが、直った!(^^;;
  • タープは快適、思い切って買ってよかった。

息子の感想

また火をもやしたくなった。肉がおいしかった。

後日談

夫が来たときに肉を買い込んで、日帰りで行ってきました。9月も後半になると、スズメバチは少ないですね。